今回の看護師転職コラムではSAORI(30代・兵庫県在住)さんから頂きました転職体験談をご紹介させて頂きます。
転職前は総合病院の集中治療室で勤務していた。新卒から9年間在籍し、正職員で勤務していた。その間、2度の産休と育休を取得した。集中治療室だったため、基本的には定時で帰ることが難しく、少しでも早く帰るために休憩時間を削って記録物を仕上げたり、非常に繁雑な業務であった。
仕事の内容としては手術後の患者の管理や、緊急入院の患者の管理、院内急変した患者の管理等、患者の疾患や傷病などは多様にわたっており、診療科を問わず患者の看護を行っていた。ただ、どの患者も基本的には重症であり、急変のリスクが高いため多くの知識と、正しいアセスメント力、緊張感が必要な部署であった。
第二子の育休終了後、短時間勤務で働いていたが、定時に帰れることが少なく、保育園のお迎えがギリギリになることや、勤務中の仕事がハードすぎて自宅に帰ってからの家事や育児をするための体力がない状況であり、非常に疲労がたまっていたため、転職を考えた。
また、子供の急な体調不良のため仕事を休まざるを得ない状況であっても、人手不足や職場の理解があまりなかったため休みづらく、子供を祖父母に預けて仕事に行くということがあった。自分の子供が病気のときにはそばで見てあげることができていないのに、患者の看護はするという状況が精神的に辛くなり、母親として子供に寄り添うことができていないと感じることが多くなったため、子育てに理解のある職場で働きたいという思いが強くなった。
以前から看護のお仕事という転職サイトの広告を閲覧することがあったため登録した。
登録した翌日に看護のお仕事の担当者から電話があり、今までの働いたことのある病院や何科で何年働いたかを尋ねられた。それに加えて、希望する年収や年間休日、雇用形態や職場の地域を聞かれた。子供を優先して働きたいこと、日勤での正社員雇用を希望しており、クリニックではなく、残業がなく、子育て世代が多く働いている病院を希望していることを伝えると、その電話の時点で2ヶ所の病院を挙げてもらうことができた。
さらにその翌日には、5ヵ所の病院を紹介していただいた。そして、その中で興味のある病院が2ヶ所あることを伝えると、その病院の担当者に私が希望している勤務形態や、年収を伝えて折り合いをつけていくと言われた。
1つの病院は急性期病院であるが残業がないこと、院内保育園があるため、働いているスタッフが子育て中、もしくは子育て経験のある人が大半であるとのことであったが、日勤のみとなると正社員ではなく契約社員で採用したいとのことで、看護のお仕事の担当者が正社員雇用にしてもらえないかと相談してくれたが、難しいと返答があったため、面接には至らなかった。病院に断りを入れる際も担当者が連絡をしてくれるため、不安はなかった。
もう1つの病院は療養型病院で、残業はほとんどなく、年収はほぼ希望通りであり、日勤のみの正社員雇用が可能との返答があったため契約に至った。
転職する前は、今までの経験上、急性期の知識はあったため、転職先もできれば急性期病院が良いと考えていたが、なかなか条件に合うところはなく、それならば自分が一番優先したい子供のことを考慮した条件である病院に転職しようと考え、療養型病院に転職を決めた形となった。
しかし、いざ転職してみるとギャップが大きく、慢性期疾患の末期の知識はほとんどなかったため、仕事がしんどいと感じていたが、最後を迎える患者との関わりかたや、モニター等の数値にとらわれないアセスメントを学ぶの半ばことが出来ている。
また、職場の環境としても、当初聞いていたとおり、残業はなく、子供の急な体調不良による休みも快く受け入れてもらえており、急な休みはみんなお互い様だというような風習であるため働きやすいと感じている。また、子育て世代が多いことで、仕事以外に子供の話や相談もでき、共通の話題があったりと、今までとは違った楽しさがある。
転職前は転職先に、もともとと同じような急性期病院でないと不安という気持ちがあったが、転職してからは以前とは異なる役割をもつ病院であるため、様々な経験ができ、知識も広くなり良かったと感じている。
何よりも、職場の雰囲気がとてもよく、自分自身に精神的にゆとりができたため、子供に接する時間も増やすことができた。
また、体調不良のときとそばにいてあげることが出来るようになったため、仕事育児の両立の葛藤から解放され、看護のお仕事の担当者に紹介してもらったところに転職して良かったと感じている。