転職を成功させた看護師の殆どが看護師転職サイトを利用しています。自分で直接応募するのでは駄目なのでしょうか?転職市場の現状と看護師転職サイトの特性を踏まえながら、考えてみたいと思います。
最初にご自身一人で転職活動をするというケースから考えて見ましょう。転職活動と言っても大きく分けると2つのケースに分けられるのではないでしょうか。現在現役の看護師として働いているケースと、子育てなどでブランクがあり久しぶりに看護師として復帰したいというケースの2つです。
まず、現役の看護師として働きながら転職活動をしたいというケースでは、言うまでもなく転職活動をする時間が限定されてしまいますよね。看護師でなくても働きながらの転職活動というのは非常に難しいものです。仕事が終わった後に情報収集をしたり、転職先の企業に連絡・訪問するわけですから、基本的に無理があるのです。良い転職先を探すにしても、アプローチするにしても相当に効率よく要領よく動き、更に大きな要素として運が見方してくれなければ、転職を成功させることはまず不可能でしょう。
最初の段階で必要となるのは、求人情報とその医療機関の実状に関する情報ですが、個人レベルで得られる情報は知れています。求人を見つけたとしても、形式通りで詳細が書かれていない求人票ばかり。問い合わせて実際に会って話を聞いてみなければ詳細は把握できません。また、実際に訪問したとしても、その医療施設の内情や実状はわかりませんよね。肝心の雇用条件も、しっかりと条件交渉が出来なければ、雇い主側に都合の良い条件で決められてしまいます・・・
看護師としての仕事が終わって、気力も体力も消耗してしまっている状態で対応できる内容でしょうか?複数の転職先の候補に対して実行、比較できしょうでしょうか? 皆さんは看護師であって、転職のプロではありません。要領よく求人情報を集められなかったり、交渉下手であって当然です。働いたことの無い医療施設の内情なんて知るよしもありません。上手く出来なくて当然なのです。
看護師転職サイトはあなたが希望条件を提示するだけで、転職仲介のプロがあなたの代理人として最良の情報と条件を引き出すべく動いてくれます。あなたが看護師として働いている間に必死に情報を集め、まとめ、交渉も行ってくれますので、あなたは空いている時間にあなた専用にまとめられた情報を比較し、先に進めるかどうかじっくりと考えて次の指示を出すだけです。
一人で転職活動をしてみるのも一つの手ではありますが、時間、情報、医療機関との結び付き、交渉スキルといった点で、看護師の転職だけを専門に扱うプロ達に勝負を挑むのは分が悪いと言えるのでは無いでしょうか。
暫く働いていなくて看護師として復帰したいという方も同様です。ブランク期間中に看護師としての勘が鈍ってしまったのではないか、現在の医療環境についていけるだろうか、と不安になる方も多いと思いますが、そのような方こそ、看護師仲介のプロにどのような復帰方法が適切か、無理なく復帰するにはどのような職場を探したら良いか相談してみましょう。看護師転職サイトでは非常に多くの復帰・復職を想定した求人情報を多数抱えています。そして、女性が大半を占める看護師転職市場だからこそ、看護師転職サイトには「復帰・復職」に関する実績もノウハウも充実しています。
一人では得ることが出来ない膨大な実績から得られるノウハウや情報のネットワークを活用しない手はありません。
看護師では少数派だと思われますが、転職やブランクから復帰する際にハローワークを利用するという選択肢はどうでしょうか?結論から言ってしまうと看護師の求人をハローワークで探すのは得策とは言えません。
第一に挙げられるのが求人の数です。看護師転職サイトで扱う求人量と比較するとハローワークの求人数は圧倒的に少ないというのが実状です。求人の仲介サービスを利用する上 で、求人数の絶対数が少ないというのは大きなデメリットと言えます。
次に挙げられるのは、ハローワークには看護師や医療関係の専門知識を持った担当者が居ないという点です。当然と言えば当然なのですが、ハローワークは看護師の求人を専門に扱っているわけではなく、様々な業種の求人を幅広く扱っています。担当者が医療関係に明るくなくても不思議はありませんし、そこに専門性を求めるのも酷と言えますが、看護師は専門職であり、労働環境や労働条件は一般企業とはかけ離れた内容です。専門的な知識が無ければ適切な仲介はほぼ不可能と言っても良いでしょう。
また、ハローワーク職員の仲介スキルのバラツキも気になるところです。ハローワークの職員の多くは非正規雇用ですので、事務作業的なマッチングは出来ても、個別案件において柔軟な対応や交渉が期待出来るかと言えば、やや疑問が残ります。非正規雇用を軽視するわけではありませんが、その後の人生を左右するであろう転職というイベントにおいて、非正規雇用の方に助言を求めるという状況はベストな環境でしょうか?
人材仲介という分野で長期的な経験と実績を積んだプロフェッショナル、少なくとも自分よりも知識や経験が豊富な方に指導を仰ぎたいと思うのは不自然なことでは無いと思います。
雇用主である医療機関の立場で考えて見ても、ハローワークが看護師の求人募集の本命ではないことがわかります。ハローワークは幅広い分野の膨大な数の求人を扱っていますので、看護師の求人のような専門性の高い情報を出しても膨大な求人情報の中に埋もれてしまうリスクがあります。
そして前述の通り、ハローワークの担当者は基本的に医療関連の知識や実状、看護師の労働に関する知識がありませんので、マッチング精度がどうしても低くなってしまうという問題があります。マッチング精度を無視して転職を強行しても、雇い主側、看護師側の双方で「欲しかった人材ではない」「思っていた職場と違う」という状況が生まれてしまい、手間暇掛けて結果的に離職率が上がっただけだった、なんてことになりかねません。これでは本末転倒です。
そもそも、ハローワーク経由で転職活動をする看護師が少ないので、雇用主がハローワークを積極的に利用しないのも自然なことなのかもしれませんね。コストの掛からないハローワークでは無く、高価な報酬を払ってでも看護師転職サイトに仲介を依頼して求人募集を行うということは、それだけの理由があるという事です。
税金を払っている訳ですから利用しないと勿体無いという意見も十分に理解できますが、看護師の転職に関しては、ハローワークを最有力候補に据えて転職活動を行うことはおすすめすることが出来ません。ハローワークを利用すること自体は自由ですが、看護師転職サイトと併用して、ご自身で情報や条件が適切なものなのかどうか、比較検証することを忘れないようにしてください。
看護師に限らず、転職支援サービスと呼ばれるものは以前から存在していました。しかし、ネットが普及する以前は敷居が高く、気軽に利用できるサービスとは言い難いものでした。サービス提供会社を訪問し、面談を経てはじめて登録が完了するといったもので、紹介される求人も数も多くはありません。スマホが普及した現在では想像できないかもしれませんが、情報の伝達手段が実際に会うか電話しか無い時代ですから、一度に伝えられる情報は限られていたのです。
これは転職支援サービスを提供する会社の社内でも同様で、現在のようなインターネットによる情報共有が無い時代では、担当者が足で情報を稼いでいたので、求人の絶対量は少なく偏ったものでした。対象エリアは限定され、情報の鮮度にも問題がありました。集められた求人情報も担当者や支社レベルで共有する程度でしたので、データベースそのものが存在しません。持っている求人情報もマッチング精度もあくまで担当者のスキルに依存したものだったのです。
その後、Windows95の発売やimodeの登場を経て、徐々にインターネット環境が整っていきました。そして、現在では誰もがスマホを通じてインターネットを利用することが当たり前となり、足で稼ぐ時代からネットを通じて如何に有益な情報を効率よく得ることが出来るかが問われる時代が訪れました。
看護師転職市場も一気にインターネットを利用したサービス「看護師転職サイト」が主役となり、誰もが簡単に膨大な求人情報データベースにアクセスできるようになりました。
手間や時間が掛からないにも関わらず、あなたが希望する条件の求人のみを制限なく無料で取得できる看護師転職サイト。なぜこのような高度なサービスが無料で利用できるかは後述しますが、今や看護師が転職する際に看護師転職サイトを利用するというのは、半ば常識化しており、焦点は「どこの看護師転職サイトをどのように活用するべきなのか」という点に移ってきています。
「インターネットを主軸として転職活動を行う」と言うと安直に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、看護師転職サイトを利用している方と利用していない方では、情報量や効率、精度という点において大きな差が生じてしまうのも事実です。
最終的な採用はあくまで医療機関との面談によって決まります。まずは情報収集の手段として看護師転職サイトを活用してみましょう。直接医療機関を訪問して交渉する自信がある方はご自身の方法で転職活動をされれば良いと思いますが、ご自身でアプローチするにしても人材の募集状況やその医療施設の内情といった情報は不可欠です。看護師転職サイトの多くは情報収集のみの利用も認められていますので、ご自身の転職活動を補完するツールとして看護師転職サイトを活用してみては如何でしょうか。
「条件の良い職場で働く」「働きやすい職場で働く」というのが転職の最大の目的です。一人で転職活動をする、ネットに頼らず転職活動をする、看護師転職サイトを利用するといった手段は、あくまで目的を達成する為の手段に過ぎません。人生において、転職活動のプロセス自体は他人から評価されることはありませんし、ご自身で満足出来たとしても、長期的に続くものではありません。重要なのは、どんな転職活動をしたかではなく、どんな条件でどんな職場へ転職したかという結果です。
どうしたら目的を達成して、最良の結果が得られるのか。じっくりと考えてみてください。