全く経験の無い新人看護士が日勤のみの求人を探すのは多少無理があるかもしれませんが、一定の経験がある看護師であれば、転職先として夜勤無し・日勤のみの求人を探すことはそれ程難しいことではない筈です。
固定観念に囚われて最初から諦めてしまったり、可能性を狭めてしまうような転職活動をしないように気をつけてください。大切なことは簡単に妥協しないことです。「夜勤無し・日勤のみ」という希望条件を明確にして適切な転職活動を行えば、きっと希望条件に合った職場が見つかる筈です。
夜勤も悪いことばかりではありません。深夜の勤務は夜勤手当が付きますので、夜勤をこなすことで収入をアップさせることが出来ます。また、2交代制の夜勤であれば、1回の勤務時間が長い分、長時間の休みが取れるというメリットもあります。経験の浅い新人看護士にっては、夜勤でないと身につけられない仕事もあるでしょう。
しかし、ご自身の私生活に重きを置きたい方にとって、夜勤は無視できないデメリットが存在するのもまた事実です。夜勤を日常的にこなしていれば、どんなに若くて健康的な方であっても昼夜が逆転してしまい、慢性的な睡眠不足に陥ってしまう可能性があります。慢性的な睡眠不足の問題点は単純な眠さだけではありません。疲れが取れにくくなりますし、抵抗力も低下しますので、体調を崩すといったことも考えられます。
また、ご家庭や小さなお子さんがいらっしゃる方は、どうしてもご家族との大切な時間が短くなってしまいますので、寂しい思いや不便な思いをさせているのでは?と悩む日々が続いてしまうかかもしれません。
夜勤は病院や患者さんにとって必ず必要とされる重要な仕事ではありますが、あくまで看護師であるご自身の健康とプライベートが正常に保たれていることが前提となります。ご自身やご家庭を犠牲にする必要はありません。
それでは看護師が夜勤無し・日勤のみで働ける日勤専従の職場とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?幾つか例を挙げて見ていきたいと思います。
入院施設が完備されている病院であっても、看護師の数が一定以上でマネジメントが整っている比較的大きめの施設であれば「日勤のみ」で看護師を募集しているケースがあります。
入院施設がない個人経営のクリニック・診療所であれば、基本的に朝から夕方までの対応となりますので夜勤の心配がありません。日勤のみで働くことが出来ます。
介護老人保健施設、介護老人福祉施設、有料老人ホームといった施設では、看護師の夜勤配置が義務づけられていません。自主的に設定している施設を除けば、基本的に日勤のみで働くことが出来るでしょう。
デイサービスは在宅介護を受けている高齢者を送迎して食事や入浴などの介護サービスを提供するものですので、基本的に夜勤はありません。お泊まりデイサービスのような宿泊サービスを提供している施設では夜勤を求められるケースがあります。
クリニック・診療所と同様に基本的には夜勤がなく日勤のみと考えて良いでしょう。一般的に治療とは異なりますので、患者相手というよりお客様相手の対応が求められる場合がありますが、病院勤務より高収入となるケースが多いようです。医療とサービス業のギャップに馴染めず戸惑う方も。
健康診断を受けるための施設で病院内の一部門のケースと単独で運営されているケースがあります。基本的に病人ではなく健康な人を相手にしますので、緊迫感や命に関わるような重圧はありませんが、一般的な病院看護師よりも接遇マナーは求められるかもしれません。
病院に併設されている訪問看護ステーションを拠点として、患者さんの自宅を訪問しながらケアする仕事です。患者さんの自宅を訪問しますので基本的に夜勤無しの日勤となりますが、多くの場合一人での訪問・処置となり、患者さんやご家族からの相談や助言も求められますので、一定のスキルと知識が必要とされます。経験が浅い看護師の方には向かないかもしれません。
新薬の開発過程で人に対して使用する段階の試験を治療試験(治験)と言い、治験が行われている医療機関でのコーディネート業務が主な仕事内容となります。治験参加者の募集から説明、ケア、管理、医師・製薬会社との調整など仕事内容は多岐にわたりますが、基本的には日勤の仕事です。医師、製薬会社、被験者とその家族など、説明や調整を求められることが多い為、看護師としての基本スキルに加えて一定以上のコミュニケーション能力が必要になります。
産業看護師とも呼ばれる仕事です。一般企業内の医務室での勤務ですので、例外を除けば平日の日勤のみで土日祝日はお休みとなります。比較的負担が少なく条件が良いことから産業看護師は人気の職業となっていますが、医療処置を行う機会が大幅に減る為、看護師としてのスキルが低下してしまう恐れがあるという難点もあります。また、産業看護師は求人が極端に少ない為、複数の転職エージェントに依頼しておくなど工夫が必要になります。
学校の場合は主に保健室での仕事となります。保育園や幼稚園では園内の健康管理が主な仕事となります。園児・学生は勿論、教職員の健康管理も担うことになりますが、平日の日勤のみで、夏休み・冬休みといった長期休暇もあります。看護師の医療処置としては負担が少なく、確実に日勤で働ける仕事ではありますが、求人の数が非常に少ないのが難点です。
日勤の看護師求人は職場にこだわりが無ければ比較的簡単に見つかりますが、病院やクリニックを除外した施設別の求人は非常に少ないのが現状です。中には個人では辿り着くことが難しい募集の仕方をしている施設もありますので、これらの施設で働きたい方は、早めに転職エージェントに相談して求人が出たらすぐに教えて貰える体制にしておくことが重要です。特に求人が少ない治験、企業、学校などは複数の転職エージェントに声を掛けておきましょう。