「今の仕事の収入は適切?」
看護師として働いている方の多くはもう少し貰えても良いのでは無いかと感じていらっしゃるのではないでしょうか?夜勤があって生活が不規則になりがち、責任も重く、ストレスも多い。それなのに、一般職と同等か少し良い程度の給料しか貰えていない看護師の方がいらっしゃるのも事実です。
当サイトでは
という看護師の平均年収に関する3つのコンテンツをご用意させて頂いていますが、これはあくまで厚生労働省が発表した平均データの話。実際には年収300万円の方も居れば、年収500万円、600万円なんて方も結構居たりします。
「同じ看護師なのにどうしてこんなに収入に差がつくの?」
という声が聞こえてきそうですが、それに対する答えは
「その病院が儲かっているかどうか次第」
という事になります。どんなに志が高い方が経営する病院であっても、儲かっていなければ良い給料は出せないという事ですね。良い給料を出してあげたくても出せないのです。逆に儲かっている病院であれば、基本給は勿論、様々な手当も充実していて、トータルでの収入はかなりの金額となります。
今回は看護師の給料の内訳を見ながら、「どのような点で給料に差が出てくるのか」また「どうしたら給料が上がるのか」を考えてみたいと思います。
まずは看護師の給料の内訳から見ていきましょう。あなたの給料明細書と照らし合わせながら内容を確認してみてください。
基本給とは一ヶ月の給料のベースとなる賃金ですね。毎月職場から決まった金額支払われるのが基本給です。欠勤が無ければ必ず受け取れることが出来る金額ですので、基本的にこの金額は高い方が良いという事になります。
一般的には一年間に一回昇給のチャンスがあると思いますが、ここが毎年コンスタントに上がっていくかがポイントで、将来的な収入に大きく関係してきます。偶にあるのは、スタート時の基本給は良かったけど、殆ど上がっていかない、微増が続くというケースですね。将来的にも上がって行かなそうであれば、その職場で長期間働くのは微妙かもしれません。
残業手当が一切出ないという職場は考えものです。「年俸制だから残業代は出ません」「残業代は基本給に含まれている」なんて言われていないでしょうか?
このような職場はちょっと危険かもしれません。残業代を出さなくていいと考えている経営者は、職員に出来るだけ多くの時間働かせようとします。考えてみれば当たり前ですよね。同じ賃金なら多く働かせた方が経営者には得な訳ですから。
ちなみに厚生労働省が定める賃金の制度として、「割増賃金」という項目があり、そこにはこう書かれています。
労働者に時間外労働、深夜労働(原則として午後10時~午前5時)、または休日労働をさせる場合には、会社は割増賃金を支払う必要があります(法定の労働時間を超えて労働させる場合、深夜労働させる場合:2割5分以上、法定の休日に労働をさせる場合:3割5分以上)。
厚生労働省
つまり、残業代は貰う権利があり、深夜や休日に働く場合は制度として25~35%増という割増賃金が定められているわけですね。
あなたの職場はどうでしょうか? 実状では全く支払われていない職場も多かったりしますが、当たり前のようにキッチリ支払ってくれる職場もあります。
下手をすると年収ベースでは100万円近い差が生じることもありますので、残業が多いのに残業代0円という方は要注意ですね。
看護師の夜勤は基本的に2交代制と3交代制となっていますが、夜勤手当として支払われる金額は病院によって全く異なります。夜勤手当も準夜勤と夜勤があったりしますが、傾向として言えるのは拘束時間が長い2交代制の方が夜勤手当が高いという事でしょうか。
夜勤手当の実際の金額は「これだけ?」という病院もあれば、「こんなに貰っていいの?」という病院もあります。夜勤手当の金額に自信がある病院の求人票にはかなり細かく金額が提示されていますので、一度転職サイトなどの求人をチェックしてみてください。
1回あたり2万円を超える金額を提示している病院も結構あったりするんですよね。
住宅手当は福利厚生の一つで、看護師が生活する為の住宅費用の一部を病院が負担してくれるというものです。賃貸マンションや賃貸アパートの家賃の一部を負担してくれたり、住宅ローンの一部を負担という事になっていますが、福利厚生ということで明確な決まりがありません。金額は病院によって全く異なりますし、支給されない病院も沢山あります。家賃が高い都市部では3~4万円の住宅手当が付くケースもありますが、これだけでも年収ベースでは40~50万円ですから、看護師の給料1ヶ月分以上の金額が貰えることになります。
地域手当は物価などの違いから生じる地域格差を埋めるために支給される手当です。簡単に言ってしまうと、物価・生活コストが高い都市部や僻地や離島で働く看護師にはその分手当を付けましょうということですね。
地域手当は国立・公立病院と民間病院で状況が大きく異なります。国立・公立病院では水準が定められていますので、働いているエリアによって一定の手当が付いている筈です。民間病院は特に定められたものはありませんので、病院によって異なりますが、国立・公立病院と比較すると低額で、手当が付かないケースや基本給に含むとしているケースも珍しくありません。
基本給の○ヶ月分を年に2回に分けて支給されるのが一般的ですね。2016年の看護師の平均ボーナス金額は82.7万円(平均年齢39歳)となっていますので、大体基本給の3ヶ月分前後というところでしょうか。あくまで平均値ですので、実際にはもっと少ないケースもあれば、4~5ヶ月分貰えるという病院もあります。これも年収の差を生む一つの要因になりますね。
手当に関しては他にも、家族手当、育児手当、保育手当、役職手当、資格手当、通勤手当、皆勤手当、衣服手当、食事手当、年末年始勤務手当、専門看護手当、救急手当、救急呼出待機手当、診療看護師手当、特殊業務手当、手術室勤務手当、危険手当、退職手当などの手当が存在します。
きっちりと手当を付けてくれる病院であれば、基本給が多少物足りないものであっても、トータルでは高い年収が得られる可能性があることはおわかり頂けたのではないでしょうか。逆に少し基本給が良くても、殆ど手当を付けてくれない病院であれば、年収は労働環境・実状に合わないものになってしまうかもしれませんね。
残念ながら、現在働いている病院に不満がある場合は転職するしか収入を上げる方法は無いかもしれません。現在の給料に不満をお持ちの看護師の方は、基本給が安い、毎年の昇給額が低い、各種手当てや福利厚生が充実していない、のいずれかに該当もしくは全てに該当する筈です。しかし、これらは一看護師が病院に交渉しても大幅に改善させるのは至難の業と言えるでしょう。非常に大きなパワーを消費する割には上手くいっても微増。上がったとしても一時的なもので終わってしまうことが殆どです。長年掛けて出来上がった経営体質が一看護師の意見によって一変するとは思えません。
それでは転職をすれば必ず収入が上がるのかと言えば、そうとも言い切れないのが難しいところです。適切な転職が出来なければ、年齢や経験に見合った待遇が得られないことがあるのです。それは転職を機にそれまでの経歴がリセットされてしまうというケース。
それまで働いていた病院での実績や経験を考慮してくれない病院へ転職してしまった場合、1年目のような扱いを受け、待遇は良くなるどころか、転職前よりも悪くなってしまったなんてことも起こります。
勿論、それまでの経歴をしっかりと評価してくれる病院もありますが、このあたりの事情は求人票だけでは判断出来ません。条件アップを目指して転職する場合は転職先の病院を十分に調査して情報を集める必要があります。
求人票で把握できるのは主に給与条件だけです。実際の労働環境や雰囲気は勿論、昇給のペースや様々な手当、あなたの看護師としての経歴がその病院でどのように扱われるか等はわかりません。一つ一つ調査したり確認する必要があるわけですが、個人でこれらをチェックできる人はまず居ない筈です。
是非、無料の看護師専門転職エージェントを上手く活用してください。転職エージェントを利用すれば、その求人に応募する前の段階で、あなたの名前を出すことなく、ある程度の情報を引き出すことが出来ます。
転職が成功するか否か、しっかりと手取りの給料が上がるかどうか、快適な職場環境で働けるかどうか、これらは事前にどれだけの情報が集められたかに掛かっています。逆に言えば情報をキッチリ集めることが出来れば、転職が成功する可能性はグッと高まります。
転職エージェントに相談したからと言って必ず転職しなければいけないわけではありません。また、転職を強要されるようなこともありません。情報収集のツールとして上手く活用しましょう。