今回の看護師転職コラムではありす(20代・兵庫県在住)さんから頂きました転職体験談をご紹介させて頂きます。
私は看護学校 卒業後、奨学金返済のために3年間、看護学校併設の公立病院で病棟勤務をしていました。
そこでは、脳神経内科と結核病床のある慢性期病棟で勤務をしていました。主にそこでは進行性の神経難病患者さんを対象とした看護ケアを他職種と共に展開していました。受け持ち患者をもつなかで人工呼吸器管理や意思伝達装置を用いたコミュケーション。主疾患の悪化予防や、合併症の発見や予防、ポジショニングに口腔ケア、口腔、気管内吸引、経管、経腸、静脈栄養の管理。
そして、何よりも日々の念入りな全身状態の観察。うまく意思を伝えられない方や寝たきりの方がほとんど。人工呼吸器という医療依存度の高い状態で命をつないでおられる患者さんとのかかわりを通し、上手く気持ちを汲み取る事ができず苦しむこともありましたが、だからこそじっくりと患者さんと向き合える環境で看護をさせてもらえたので、学ぶことも多くやり甲斐もかんじていました。
しかし、3年目の終わりに自身の結婚が決まりました。
丁度奨学金返済の時期にもあたることで新たな環境で看護師をやってみたいという思いと、病棟勤務が3交替で、持病があったため、変則的な勤務もそろそろ体力的にきついと感じるようになっていたため転職を決意しました。
転職を考える際に、まず日勤勤務であること、そして当時妊娠もしていたため産後、育児との両立をふまえた復帰、転職になることを想定し病院での外来勤務を希望しました。
新しい土地に嫁ぎ、その環境にどんな病院や施設があるのかも全く分からない状態であったため、転職支援サービスの看護のお仕事に登録し、就活をはじめました。
担当者から電話があり、具体的にどのような経験があるか、また田舎であったため通勤時間の希望や、働きたい場所(病院やクリニック、老人保健施設など)の希望などじっくりと話を重ねてその上で、いくつか候補を上げてもらいました。
その時は、看護のお仕事側に出てきている求人以外に、自分でも興味がある病院などを調べ、ここは募集があがってきているかなど具体的な病院名を出して看護のお仕事の担当者と3度ほど電話をしその間にもメールでやりとりもしました。
私は転職までに、約1年ほど時間があったので、割とじっくり時間をかけて考えられた様に思います。気になる病院があったときに、募集はかかっていなかったため看護のお仕事の担当者からアポイントをとってもらい、病院見学の日取りを設定してもらいました。そこで実際に見学を行いたい、看護部長とも話が出来ました。
外来勤務を希望すること、子供が小さいため時短のパート勤務でも雇ってもらうことが可能か、保育園から発熱などで呼び出しがあった場合、早退がさせてもらえる環境であるか、具体的な外来業務は何か、など具体的に詳しく話しを見学の時点で行えたため、スムーズに面接に進み、無事に新たな転職場として決定することが出来ました。
新たに転職し外来勤務となった今、2次救急の救急と処置室に勤務させてもらい、採血や点滴、検査の説明や前後での全身状態の観察、オペ前の術前検査や処置、また救急車が来た時の対応や救急外来に来られた患者さんの対応などをさせてもらっています。
慢性期病棟とは時間の流れも仕事内容も全く違い最初は戸惑いました。
しかし、外来という場で患者さんとかかわったり処置を通して、自分の経験自信になることも多く、外来には外来の楽しさがあるということに気づき始めとても良い経験をさせてもらえていると感謝しています。
たとえば、病棟では慢性期であったため生活をささえるケアが中心。しかし、外来では採血に点滴に、と処置が多く、上手く出来たという処置自体の成功体験を毎日積み重ねることができます。病棟のように昼夜繰り返される体位変換やオムツ交換などの介護的ケアもありません。そして、外来に来られる患者さんの殆どが、自分の足で病院にきて話せる。だからこそ、自分のしたケアや処置に対してしっかりとした言葉で、ありがとう、楽になったなど感謝の言葉が返ってきます。その時こそ、まさに外来が楽しいなと思える瞬間です。
働いている人の中には親世代も多く、子どもが小さいことを理解してくれるスタッフのおかげで、短い時間の中でもしっかりと仕事をすることが出来ています。そして、夜勤がなく日勤の勤務になってからは、ストレスも軽減され、大変ではありますが育児との両立もすることができています。どれも周りのサポートのおかげで出来ていることであり、思い切って転職をしてみて良かったなと思っています、
確かに、転職前は病棟勤務にもやり甲斐を感じており、慣れた職場環境でイキイキ働きていたのは間違い有りません。でも思い切って全く違う環境で看護師をしてまたそれが自分の経験経験にも自信にもつながり、とても満足しています。
時を重ねていく中で自分のライフスタイルも変化していきます。その時に、自分の生活も看護師の自分をも大切にしていくことは本当に重要です。
看護のお仕事の方には、そこをうまく橋渡ししてもらえ、円滑に転職に結び付けていただけたため良かったと感謝しています。周りのサポートを噛み締め、また仕事に励んでいこうとおもいます。