今回の看護師転職コラムではS.P(30代・福岡県在住)さんから頂きました転職体験談をご紹介させて頂きます。
私は転職する前は大学病院の急性期病棟で勤務しておりました。急性期の病棟ということもあり、日勤帯の時間帯では手術があったり、カテーテルなどの治療があったり、検査も多く、入退院やICUからの転入の受け入れも多くありました。また、夜勤帯や土日祝日も緊急入院、緊急手術が多いため業務の内容としては非常に煩雑でした。術前・術後の患者さんの管理がメインで、術直後は呼吸や循環動態の管理をして、状態が落ち着き次第リハビリを進めていき、退院を目指すために看護実践を行っていました。
プライマリナース制度を導入しているため入院から退院までをできる限り同じ看護師が担当し、看護計画の立案やサマリーの記入を行い受け持ちの患者さんに密接に関わっていきます。業務が煩雑なため、時間外勤務が多く、休日にも急に退院が決まると受け持ちの看護師がサマリーの記載をしないといけないため出勤したり、その他にも看護研究や業務改善など行わなければならず、充実している中でも少し疲れているというのが正直なところでした。
術後の患者さんのリハビリがうまくいかないこと、もっとできることがあるのではないかとリハビリテーションの分野に興味を持つようになったことが転職をしようと思ったきっかけの1つでした。また、少し疲れ始めていたことから、できる限り自分の時間を大切にしたいという思いが芽生え始め、業務内容が減り落ち着いて勤務したいと考え始めたことも転職をしようと思うきっかけになりました。
しかし、実際に転職先を検討しようとしたときに何の知識もなかったので自分自身ではどうすることもできませんでした。リハビリテーションの学会誌を読んだり、さまざまな病院のホームページを見たりしていましたが探すにも限界がありました。しかも、リハビリテーションに特化し、なおかつ時間外勤務などが少なく労働環境が整っているという条件を満たすところを探すことは容易ではありません。
そこで、インターネット内で広告を見つけ転職サイトが多くあることを知りました。転職サイトもナースパワーやナース人材バンクなどがありましたが、その中でもたまたま同僚に同じ転職サイトを使った経験を持ったスタッフがいたので実際の体験を聞き、マイナビ看護師の転職サイトを使うことにしました。
同僚のスタッフに紹介してもらうという形でマイナビ看護師に連絡し転職活動がスタートしました。マイナビ看護師ではまず電話連絡でわたしの何となくの希望を聞いてくれ、面談の日程調整のみで電話連絡は終了しました。そして、実際の面談では担当のスタッフがわたしの希望を事細かく聞いてくれて、その希望に該当する病院をいくつか紹介してくれました。
病院の機能や病床数、行っている治療や手術、看護体制、福利厚生、給料などの待遇面はもちろんのこと、実際に働いている看護師の声についても教えてくれたので比較検討することができました。待遇面はホームページを見ると分かる内容ばかりなのですが、実際に働いている看護師の声を聞くことで、実際の人間関係のことや休みや有給の取得状況、病院の雰囲気などはホームページ上ではわからないので非常に参考になりました。
面談を繰り返し実施してくれ、リハビリテーションに病院全体で取り組んでおり、有給休暇の消化は人手不足からあまり良くないが人間関係も良好ということで希望を絞込み、わたし自身納得する病院を探すことができました。
転職を希望する病院が決まると次は面接の練習に付き合ってくれました。現在はどこも人手不足で採用試験で不採用となることはあまりないとのことでしたが、念には念を入れるという担当のスタッフのアドバイスを元に繰り返し面接の練習に通いました。その甲斐もあって無事希望の病院に再就職することができました。
転職後の職場の状況としてはリハビリテーションへの熱がすごく、医師を中心に看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどが1週間に複数回集まりカンファレンスが実施され、入院中から退院後の生活までを見据え検討していました。入院中は1日3回リハビリをする機会があり、看護師とリハビリスタッフが協力して実施しています。また、介護士と看護師が協力して日常生活の援助を実施しています。急性期の病院では1日1回しかも数分リハビリを実施するのみで退院に向けたカンファレンスも充実しておらず、リハビリが進まない場合は転院という形を取っていたので、あまりの違いに衝撃を受けました。
有給休暇は事前に聞いていた情報通りに消化しきれていませんが全く取得できないわけではないのでわたしの中では大した問題ではありませんでした。
今回私は転職を希望し、実際に転職しました。転職することで1つの病院に居続けることではわからないことを知ることができ、視野を広げることができたのではないかなと思っています。病院や施設が異なれば実施している看護も全く違うし、雰囲気、待遇も全く異なるので違う環境、もっと良い環境を体験することができて本当によかったと思います。